特許・実用新案

特許・実用新案 6件 - 美崎栄一郎公式サイト

美崎栄一郎が発明者として記載されている特許・実用新案の一覧です。花王株式会社に在職していた期間に出願された特許が5件、独立後に株式会社戦国で出願した実用新案が1件あります。いずれも特許庁の公報として公開されており、番号から誰でも内容を確認できます。

権利はいずれも終了しています。ここに書いている内容は公開された公報に基づくもので、花王株式会社の見解を示すものではありません。

一覧(6件)

番号表題種別出願人出願登録・公開発明者
JP3205172U傘収容鞄実用新案登録株式会社戦国2016年4月27日2016年7月7日 登録単独
JP4501856B2撮影装置特許花王株式会社2005年12月27日2010年7月14日 登録筆頭
JP4739008B2パール顔料の製造方法特許花王株式会社2005年12月16日2011年8月3日 登録筆頭
JP2006124524Aパール顔料出願公開花王株式会社2004年10月29日2006年5月18日 公開筆頭
JP4152477B2酵素粒子特許花王株式会社1998年4月20日2008年9月17日 登録共同
JP4195118B2酵素固形製剤の製造方法特許花王株式会社1998年3月4日2008年12月10日 登録筆頭

出願年で見ると、1998年の酵素粒子・酵素固形製剤(洗剤分野)から、2004〜2005年のパール顔料・撮影装置(化粧品分野)へと対象が移っています。

撮影装置(JP4501856B2)

顔の皮膚を評価するための撮影装置です。2005年12月27日出願、2010年7月14日登録。発明者4名のうちの筆頭発明者として記載されています。

何を解決したのか

それまでの顔の皮膚評価は、カメラが弧を描いて移動しながら1枚ずつ撮影する方式でした。撮影している間に顔が動いてしまうため、画像どうしにズレが生じ、正確な解析ができません。また撮影時の照明を随時制御できないため、光の当たり方によって陰影感・つや感・透明感・色がどう変わるかを評価できませんでした。

どういう装置か

被験者の位置を中心とする球面上に、複数のデジタルカメラと複数の照明を配置し、それぞれの光軸を球の中心に向けます。制御手段が、絞り・シャッタースピード・シャッターの開閉、照明光の種類・強度・点灯の有無、さらに設置位置と設置方向の微調整までを制御し、任意の方向から照明された被験者を複数のカメラで同時に撮影します。

カメラを動かすのをやめて、全方向から同時に撮る。これが基本的な考え方です。公報には、球の半径は0.3〜3メートル(0.5〜2メートルがより好ましい)、カメラはあおり角0〜+90度、照明は−60〜+90度に等角度間隔で配置する、といった具体的な条件が記載されています。

精度を確保するための工夫も公報に書かれています。球の中心は3か所以上からレーザー光を投射して交点で定める。フレームの歪みによる角度のずれもレーザーで補正する。カメラ間のRGB感度差は20以内に揃え、カラーチェッカーを被験者と一緒に撮影して個体差を補正する。迷光を抑えるため、筐体の外壁も撮影室の床・壁・天井もすべて黒にし、ケーブルにも反射の少ない素材を使う。実施例で使われているカメラは200万画素以上(600万画素以上が好ましい)の一眼レフです。

実際に導入されたシステム

この発明は、花王が株式会社ニコンシステムと共同で構築した「多視点画像解析システム」として実際に運用されました。直径3メートルの半球状の架台に、デジタル一眼レフカメラ20台と照明装置41台を配置し、中心にいる被写体を多方向から同時に撮影します。複数カメラの集中制御ソフトウェアはニコンシステムが開発しました。被写体の目線より下にカメラを置かなかったのは、下から撮られることへの心理的な抵抗を避けるためで、照明は目線の下側にも配置しています。

このシステムについては、ニコンの企業サイトの「お客様インタビュー」で、花王ビューティケア研究センターの美崎栄一郎が全5ページにわたって説明していました。感覚的な言葉で共有されがちだった化粧品開発を、定量的な目標から逆算する目的志向型のプロセスに変えることがねらいだった、という内容です。ニコンのサイト移管にともない現在は閲覧できないため、Internet Archiveの保存版を挙げておきます。

実施例から

公報には9件の実施例が記載されています。いくつか挙げます。

  • 皺や毛穴は、撮影方向と照明方向が同じ側だと影が目立たず、反対側だと強調される。前方右60度から照明し、正面から左30度で撮影すると明確に捉えられる
  • 色むらの評価では、正面のカメラより斜め45度のカメラのほうが頬の曲面を詳細に捉えられる
  • マスカラの比較では、正面のカメラではカール効果を判断しづらいが、±90度のカメラならカール角度まで実測できる
  • 偏光を使うと、S偏光で照明しS偏光で受光した画像では毛穴や凹凸が強調され、別の組み合わせでは皮膚の色分布が強調される
  • 通常の画像では区別がつかない2種類のファンデーションを、偏光の組み合わせを変えることで、パール顔料による発色と着色顔料による発色に分離して評価できた

「きれいに見える」は測れない、のではなく、測るための条件(光と視点の角度)が決まっていなかった。そこを装置として固定したのがこの発明です。

他社・他機関による引用

この特許は、後から出願された9件の特許ファミリーに先行技術として引用されています。このうち8件は、出願人ではなく特許庁等の審査官が引用したものです。出願から19年後の2024年の出願にも引用されています。

優先年番号出願人引用元
2008年JP5085344B2株式会社資生堂審査官
2012年FR2987908B1Digiteyezer(フランス)審査官
2014年JP6373750B2花王株式会社審査官
2017年FR3074311B1Photo Me International(フランス)審査官
2018年CN108445615A中国工程物理研究院 激光聚変研究中心審査官
2018年WO2020039584A1有限会社ヴィンセンス審査官
2019年KR101987922B1韓国(個人)審査官
2022年JPWO2023157071A1―審査官
2024年JP7723786B1個人出願人

ご確認について

各番号のリンク先はGoogle Patentsです。特許庁のJ-PlatPatでも、番号を入力すれば公報そのものを閲覧できます。書誌事項は2026年10月時点の公開情報に基づいています。

本ページの記載は公開された公報に基づくものであり、花王株式会社の見解を示すものではありません。

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