CASE1 株式会社ミルボン様

調査の目線を変えると新しいニーズが見えた

私たちの上司が美崎さんの著書に感銘を受け、企画向けの勉強会を依頼したのが出会いのきっかけです。参加者からは「発想を生む物の見方が分かった」と大好評。当初は勉強会を継続する考えでしたが、美崎さんの商品開発の手法や経験を深く学ぶには、若手を交えた商品開発プロジェクトを立ち上げ、一緒に取り組む形がよいのでは、と正式にコンサルティング契約を結ぶ運びとなりました。
我々プロジェクトメンバーに与えられた課題は「カラーヘアケア製品の開発」。というのも当社には長年人気が衰えない力ラーケア製品があり、それを継続すべきか新作を作るべきか、社内でも決定しかねていたからです。(竹測さん)
サロン向け製品を卸す当社は、主に美容師ニーズから開発を進める傾向がありました。そこで美崎さんから提示されたのは「製品のエンドユーザーは誰なのか」という目線の徹底です。カラーも含め、サロンでのヘアケアを求めているエンドユーザー像とそのニーズを明確にしよう、と質問票の設計やグループインタビューの解析法など、指導を受けつつ調査を実施。すると、今までサロンケアに興味がないと考えられていた20代のうち、働く女性はヘアケアに高い関心がある、というデータが。「髪をキレイにしたいけど自分に合った方法が分からない」というのが彼女たちの悩み。サロンでヘアケア法を教えられれば価値が生まれるはず、という確信を持ちました。

前例のない試みを超えつかんだ成功モデル

ここで商品開発の方向性を「力ラーケア製品」から「働く世代向けヘアケア製品」に転換、ブランド名をジェミールフランに。しかし社内からも得意先からも「ずいぶんニッチな路線だね」と反応は今ひとつ。成功実績のある既存商品をさしおいて、得意先から要望がない20代向け商品に挑戦するのは私たち自身も大きなプレッシャーです。たとえば、調査データに基づいた人物像ペルソナを用意して、ユーザー像を社内で共有しやすくするなど「どういう準備をしていけば企画趣旨が理解されやすいのか」という美崎さんのノウハウは我々若手の大きな学びであり、助けになりましたね」(井ノ上さん)
結果「こんなパッケージがよいのでは」「こんな販促方法も試してみるベき」など、今まで前例がなかった新しいアイデアも次々と形になってゆきました。プロジェクト開始から一年、発売日を迎えてみると、当初の目標を大幅に上まわる好調な売上げを記録。嫡しかったですね。
メーカーが市場二ーズをすくい上げ、エンドユーザーを喜ばせる商品を作れば、結果として顧客であるサロンによい影響をもたらすことができる。美崎さんから学んだ経験は、他ブランドの開発にも多大な影響を与えています。これからも社内で力を合わせ、魅力ある物作りを追求していきたいと思います。


 

若手が新しい挑戦をするためのアプローチを学んだ

ペーストした画像 640x845FP本部フィールド企画部販促企画G販売促進企画室マネージャー
竹渕祥平さん
2004年入社。大学院で物理化学を専攻後「特徴のある個性的な会社に入りたい」と課題解決型の営業に定評のある同社に入社。ヘアケアへの関心を活かし販売促進を手がける。野球観戦が趣味で、大の横浜ベイスターズフアン。

ユーザーの気持ちを掘りさげれば物作りの可能性が広がる

ペーストした画像 534x640開発本部商品企画部グループ1ヘアケア企画室サブマネージャー
井ノ上泰栄さん
2007年入社。製品創りに携わりたいと、かねてから興味があつた美容業界に就職。今回の開発チームでは唯ーの女性メンバーとして、新ブランド誕生に尽力した。休日はゴルフの打ちつ放しで汗を流し、大好きな漫画を読むのが癒し。

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