CASE3 株式会社フタバ化学

開発の背景を見抜く商品知識に心が動いた

初めて美崎さんにお会いしたのは日本石鹸洗剤工業組合主催のブランディング勉強会。半年に渡る大きなもので、競争の厳しい中小企業は勉強して自社ブランドを磨かないとと足を運んだところ、その講師として登壇されたのです。
早くからホテルや旅館の業務用ソープやヘアケアを手がけてきた当社は、ボディソープ用ポンプを初めて設計・開発するなど高級商品として認知されていたのですが、大手の参入により価格競争が激化。苦戦を強いられていました。そこで地元のお酒や果物などを使った旅館のオリジナル商品を小ロット生産するOEMを手がけてきました。新たなヒット商品を、とマッサージソープア口エシオを開発。しかしボディソープほど必要不可欠な商品として扱ってもらえないうえ、塩の塊ですから機械が錯びるなど製造も難しい。使用感の評判はよくうちしか作れない独自性もあるのに売上げは伸びず、悔しい思いをしてきました。そんな話を美崎さんにしたところ「ボディソープよりアロエシオでオリジナルを作ったほうが楽なんじゃない」と。つまり花王時代の経験から、果物など食品成分をソープに入れるより、塩に入れたほうが品質は安定することをすぐ理解してくれた。ブランドの専門家で、なおかつ石酸の知識がある人はまずいません。「この人とアロエシオの再起に取り組んでみたい」と感じたのです。

自信を持って営業できるリニューアルに成功

積極的な販売を中断して10年ほど経ちますから、既存のアロエシオのお客様は高齢化しています。20代にアプローチして若返りを図りたい、という私たちの希望を叶えるには、低価格にする工夫とおしゃれさが必要でした。美崎さんからの提案は、これまでの種類別の包装をやめて、全シリーズ共通の透明パウチを採用するというもの。シールを貼って種類分けすることで、個別の包装印刷費を圧縮する手法です。自然な素材を使っているので、時間の経過とともに色が変色するのは避けられません。それで中が見えない包装にしていたのですが、コストを下げて回転数を高める分、あえて中の色を見せて自然なイメージを伝えるという発想は新鮮でしたね。宿泊施設に導入を図るきっかけとして、アンケートとサンプルを配布する方法も、商品の良さを知ってもらえるうえ、「使用感が分かると接客に活かせる」と好評。さらに当社のデザイナーを積極的に活用していただき、商品のリーフレットや会社案内、名刺まですべてリニューアルしたことで、営業も自信を持って訪問できるようになり「この商品は必ず売れますから、ご心配はいりません」とお伝えできるほどに。美崎さんは各地に出張に行かれる際、わざわざアロエシオが売れている旅館に泊って、経営方針や接客の様子を確認し、報告してくださることもあります。「熱意を持っていただいているんだな」と嬉しくなりますし、その様子が私たち社の人間にもやる気を与えてくれていますね。

石齢に詳しいコンサルタントは他にいないと確信した

フタバ_1833
代表取締役社長
志水双葉さん
2003年に新社長に就任し、現在13年目。由来の分かる安心な製品をお客様に使っていただくのがモットー。「社員のためにも健康でいなくてはと毎日のストレッチは欠かさない。趣味は休日に通い始めて7〜8年という水中ウオーキング。

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