CASE4 株式会社桜製作所
習慣に凝り固まった頭をほぐす発想力
プラスチックを原料に、スイッチなど機械や雑貨の部品を成形するのが私どもの仕事。知人に大阪開催の「二代目社長大学」に誘われ、美崎さんとはそこで出会いました。実は書籍『「結果を出す人」の手帖の秘密を読んですごく影響を受けたばかり。「著者の美崎さんが主催!?」と驚き、本にサインをもらったのを覚えています。
そのとき、自社オリジナルの製品を初めて開発したい思いを温めており、勉強会後に相談したところ、翌週わざわざ兵庫まで来ていプルを見て「このままでは売れないが、改良すれば可能性はある」とのこと。下請けの経験しかない私たちには商品開発のノウハウが全くありません。コンサルティング料も大切な開発費用と考え、思い切って美崎さんの力をお借りしようと決意したんです。その商品とは、スマートフォンとタブレットを二台同時に置けるスタンド。携帯電話販売店に勤める知人から「探しても同様の製品がない」と相談を受けて着想したものです。最初の宿題はネーミング。「おしゃれな店に置いてもらえる名前」と言われ50〜60案提出しましたが全て却下。しかしなぜダメか理由も提示してくださるので発想力がかなり鍛えられましたね。最終的に、120案ほどの中から商品イメージが湧きやすいnokke(ノッケ)に決定しました。驚いたのは、製品を透明にすべき、というアドバイス。「自宅にもオフィスにもなじみ、内部に好きなものを飾って楽しめる付加価値もつく」というその視点は私の想像を超えたもの。また「どんなパッケージに入れるかで値段や販売先を選べるから、箱に入れて売ろう」という提案も新鮮でした。そもそも透明なプラスチック製品を作るのは着色より手間がかかるため、無意識に避けていたのかもしれません。値段についても漠然と「決めるのは相手」という意識がありました。常に選ばれる立場である下請け業者の発想が染みついていることにも気づかされた瞬間でした。
商品の価値は、経営の視点からも上げられる
信頼を高める方法の一環としてプロに撮影を依頼し、ウェブサイトもリニューアルしたところ、早速お客様から発注が。「町工場かと思ったら、しっかりした会社なんですね」と言われ、PRの重要性を肌で感じる結果に。当社の食堂には、そのとき撮影した社員たちの写真を飾っています。「自分たちの笑顔の写真を飾ってくれている、と感じると会社に対する不満も軽くなるもの」と美崎さんに言われ、商品の価値は経営的な視点からも上げられるんだ、と気づき、社長として餓然やる気が湧いてきました。美崎さんの助けを借りて商品開発の方向性が定まった今、次は私たちの番。いかにクオリティの高い量産を可能にするかがメーカーの腕の見せ所です。引き続き販売方法などのご相談に乗っていただけるよう、これから製品化に全力を尽くしたいと思います。
企業の将来ビジョンを実現するスピードを速めてもらった
代表取締役社長
山口将史さん
2000年に入社し、研鑽を積んだのち三代目社長に就任。「仕事を通じ、社会のお役にたてるよう全力を尽くす」を理念に掲げ、人間本位の企業作りを目指している。中学時代から続けているバドミントンは、兵庫県大会の年代別部門で優勝するほどの腕前。