CASE2 錦城護謨株式会社(課題と結果)
『歩導くん』の知名度をあげて
さらなる販売促進につなげたい
点字ブロックに変わる安心・安全な製品だが、まだ認知度が低い『歩導くん』。導入実績を増やし、2020年東京オリンピック・パラリンピック採用を叶えるのが目標。
■機能×デザインで普及しやすい形状に
開発当初のシンプルな長方形のゴムマットから、色や形をマイナーチェンジ。「美崎さんのアドバイスのもと、ユニバーサルデザインとしての視点はそのままに、建築家や建物オーナーが導入しやすいようデザインと機能を向上させました」(太田さん)
以前の歩導くんは、視覚障がい者が白杖で叩いたときの音や感触の違いで誘導路を教える仕様。黄と緑が標準色で表面はフラットだった。(写真左)
現在発売中の最新型。インテリア用Pタイルと同じサイズに統一し、空間デザインと調和する豊富な発色を実現。表面に柄や模様も採用した。(写真右)
滑りづらく、汚れが目立たない表面加工と絵や文字を表現できるピクトグラムを導入
雨天時の滑リ止めとしてマットの表面に幾何学模様を採用。付着した泥汚れも柄のように見せる効果が。また中心に16ドットのピクトグラムを用いて、案内の文字や図柄などの表現も可能に。
非常時の誘導にも役立つ″光る床″蓄光素材のマットを新たに開発
暗所で光る蓄光素材の『歩導くん』を開発。通常は視覚障がい者用として、停電時には-般の人に避難経路を光で案内する役目に。火事など煙で視界が悪いときはマットの感触が出口への誘導路となる。
カチッとはまるアジャスタ方式で乗リ上げの段差をなくし増設もかんたんに
ひねってカチリと差し込むアジャスタ方式を採用。外れにくく、スペースに応じて連結を容易にした。また表面が平坦になるため、車いすユ—ザーやべビーカーなど車輪の乗り上げもスムーズに。
↓従来型の点字プロック
表面に凹凸をつけた従来型の点字プロック。足裏の感触が分かりやすい利点がある一方で、自転車や車いす、ベビーカーなど車輪が乗り上げると不安定になりやすく、雨天時にすべりやすい面も。
更なる改良を重ね装飾としても進化
誘導マットの進化系を目指して意見交換、常に改良を重ねている。「透明ゴムを用いた『歩導くん』の下に、LEDを搭載したボードを敷くことで発光させることも可能に。文字なども入れられるので、イルミネーションなどイベント時の装飾や広告としても活用できます」(太田さん)
盲学校での利用をメディアも紹介
視覚障がい者にマットの使いやすさを知ってもらうのは急務、と美崎氏。「長野県・松本盲学校に働きかけ、卒業生が誘導マットを歩く様子を新聞などにも取り上げてもらえました」(太田さん)
信濃毎日新聞に掲載された松本盲学校の卒業式の様子。(写真右)
利用者の声や導入実績をまとめたプレスリリースも定期的に制作し、さらなる認知向上に活用。(写真左)
盲学校・視覚支援学校に導入実績ができ
各種メディアに取り上げられるように
改良の甲斐あって、新規参入が難しい盲学校にも利用実績ができた。新聞やニュースにも紹介され、製品への信頼性を高めることで、社会に対する認知を広げることに成功した。
美崎栄一郎の目線
今回の課題は「『歩道くんガイドウェイ』を世の中にどう普及させるか」という点です。受益者や決裁者が一般ユーザーであることを踏まえると、まずは「視覚障がい者用の商品」という先入観から自由になり、点字ブロックにはない新しい使い方を提案するという目線が重要。非常用や広告利用など一般ユーザーを巻き込んだ発想は、その一環と言えるでしょう。決裁者の信頼を勝ち得るためには福祉分野での実績は欠かせないため、盲学校へのアプローチもご提案しました。プレスリリースを適切な時期、適切な場所に送るノウハウもお伝えし、さらなる飛躍を期待しています。
錦城護謨株式会社
設立:1952年資本金:8000万円
事業内容:工業用ゴム・樹脂製品の製造販売、自社ブランド土木資材・製品の製造、販売など本社所在地:大阪府八尾市跡部北の町1丁目4番25号
電話番号:072-992-2321ウエプサイト: https://http:〃www.kinjogomu.jp/